夏の疲れがたまりやすい8月後半。外はまだ暑く、冷房による冷えや、自律神経の乱れも出やすい時期です。
バンバンの整体に来院される方からも、「なんとなくだるい」「肩や腰が重い」「夜よく眠れない」という声をよく聞きます。
そんなときこそ、自宅でできる小さなウェルネス習慣が役立ちます。
今回は東洋医学の考え方をベースに、体と心をやさしくととのえる習慣をご紹介します。
まずは「今の自分」を感じ取ることから

なぜ自分の状態を知ることが大事なのか
毎日の体調は天気や気温、食事、心の状態によって変化します。自分の体の声を聞くことが、ウェルネス習慣の第一歩です。
東洋医学では「未病を治す」という考え方があります。これは、まだ病気ではないけれど健康から少しずつ外れかけている状態を、早めに整えるという意味です。
そのためには、「なんとなく今日は疲れやすいな」「足先が冷えているな」など、小さな変化に気づくことが大切です。
- 朝起きて、体の重さや睡眠の質を振り返る
- 夕方にむくみやだるさが強いかどうかチェックする
- 気分が落ち込みやすい日と元気な日の違いをメモする
健康は「気づくこと」から始まります。今日の自分を観察する時間を、ほんの1分でもつくりましょう。
呼吸を深くするだけで血流と気の巡りが変わる

深呼吸は最高のセルフケア
深い呼吸は、血流や自律神経のバランスを整える最もシンプルな方法です。
東洋医学では「気・血・水」が体を巡ると考えます。浅い呼吸では酸素が足りず、気や血の流れも滞ります。特に肩こりや冷え、疲れやすさは呼吸の浅さと関係していることが多いです。
- 椅子に腰かけ、背筋をやさしく伸ばす
- 鼻から4秒かけて息を吸い、お腹がふくらむのを感じる
- 口から8秒かけてゆっくり息を吐く
- 1日3回、1回5呼吸から始める
1分の深呼吸でも、体と心の巡りは変わります。忙しい日こそ、呼吸を味方につけましょう。
季節の食材で体の中から整える

夏の終わりは「脾」と「胃」を労わる
食べ物は薬にもなります。東洋医学では、夏の終わりは消化器系が弱りやすいとされています。
冷たい飲み物やアイスの摂りすぎで、胃腸が冷え、エネルギーを生み出す力が落ちやすくなります。これは倦怠感や食欲不振、むくみにつながります。
- 温かいお味噌汁やスープを一日一回取り入れる
- とうもろこし、かぼちゃ、さつまいもなどの黄色い食材を食べる
- 冷たい飲み物は常温か温かいものに置き換える
食事は「お腹を喜ばせる」視点で選ぶと、体全体の元気が戻ってきます。
体をやさしく動かす「ゆるいストレッチ」

強くやらなくていい、やさしくでいい
痛みやこりを取ろうと強く揉んだり伸ばしたりすると、かえって筋肉や神経を傷めてしまうことがあります。大事なのは「やさしく動かす」ことです。
末梢神経の働きはやさしい刺激で活性化されやすいと考えます。強い刺激は防御反応を招き、逆に緊張を強めることもあります。
- 朝起きたら肩をぐるっと前後に3回ずつ回す
- 股関節を軽くゆらすように左右に動かす
- 手首や足首をゆっくり回す
「これなら続けられる」くらいの軽さが、体を長く守ります。
夜の「ととのえ時間」で自律神経を休ませる

眠る前の儀式を作る
寝る直前までスマホやテレビを見ていると、交感神経が高ぶり眠りの質が下がります。
東洋医学では、夜は「陰」が高まる時間。体も心も静めることで回復力が最大化します。
- 寝る30分前から照明をやや暗めにする
- 白湯を少し飲む
- アロマやお香で香りを楽しむ
- 深呼吸や軽いストレッチをする
眠る前の「静かな時間」が、翌朝の元気を作ります。
おわりに
ウェルネス習慣は特別なことをする必要はありません。
「自分の状態を感じ取る」「呼吸を深める」「食材を選ぶ」「やさしく動く」「眠る前に整える」――これらを少しずつ生活に取り入れるだけで、体と心のバランスは整っていきます。
東洋医学では、健康は日々の積み重ねから生まれるとされています。
ぜひ今日から、自宅でできる小さな習慣を一つ選んで始めてみてください。
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